大阪府保険医協同組合 第42回組合まつり2025 特別講演
ベンダーと取り組む正しい医療DXとの向き合い方

変化の時代における医療機関の羅針盤 - 医療DXの本質を理解し、AIの可能性を探る専門セミナーへようこそ
2025年4月20日
株式会社ジェイ・メディック
代表取締役 酒井陽一郎
本セミナーの文字起こしテキストはこちらをクリック
はじめに
ご挨拶
本日はご来場いただき、誠にありがとうございます。株式会社ジェイ・メディック代表の酒井陽一郎です。
自己紹介
医療現場とITの橋渡しを目指し、医療機関の皆様と共に歩んでまいりました。
セミナー開催にあたって
医療DXの本質を皆様と一緒に考え、真に価値ある取り組みを探求いたします。
本日のセミナーでお伝えしたいこと
課題
医療DXの現状と課題を正しく理解する
構成
  1. 国の進める医療DXとは
  1. 2025年以降の医療とAI
  1. 医療機関のDXとの向き合い方
  1. まとめ & Q&A
ゴール
医療DXと主体的に向き合えるようになること
特に注目いただきたい「AIと医療の未来」
なぜ今AIなのか?
AI技術が医療現場に大きな変化をもたらし、業務効率化と医療の質向上が実現可能になっています。
最新技術のインパクト
AIが医療の可能性を広げる時代が到来し、従来の業務の概念が大きく変わろうとしています。
積極的にAIを活用
Project VOICEやTextToSOAPなど、未来を感じる事例が登場
国が進める「医療DX」とは?
オンライン資格確認
主保険の資格確認だけでなく、公費や医療扶助の資格も確認可能になりました。
電子処方箋
処方データのリアルタイム反映が前提となる新しい仕組みです。
情報共有・標準化
全国医療情報プラットフォームと標準型電子カルテ(HL7 FHIR)の開発が進んでいます。
医療DXの全体像
講演では、この全国医療情報プラットフォームの全体像をご説明しました。
また、国がどんなユースケース、メリット例を周知しようとしているのかについて右の4例をご説明しました。
医療情報基盤
オンライン資格確認、電子処方箋、電子カルテ共有、健診情報などの連携システム
保険者向け中間サーバ
介護情報基盤
科学的介護情報やケアプランデータ連携の仕組み
行政・自治体情報基盤
PMH(PUBLIC MEDICAL HUB)、自治体向け中間サーバー
二次利用基盤
医療・介護データ解析基盤(NDB、難病、感染症データなど)
それって本当にDX?
医療機関の負担
医療機関にとってのDX効果は?
負担だけが増加してる気が…
本質的DXへの疑問
本当に医療の質向上や効率化につながっているのか?
現場との乖離
現実の医療現場の実情を無視した推進が進められていないですか?
理想と現実:現場から見える課題例
電子処方箋
導入・運用のハードルが高く、費用対効果に疑問(DX加算で賄える?)
医療機関にとって実質負担増でしかないとも思える現実があります。
オンライン資格確認
「目視確認モード」の改修による混乱など、現場と国との間の認識に相当な乖離あり、温度差を感じます。
受付担当者が待合室側に回って操作するという非現実的な運用が求められています。
標準化電子カルテ
実現可能性やベンダーロックインの懸念
100を超える電子カルテが存在する理由の本質を考慮していないのでは…
問われるべき本質
誰のためのDX?
決して、医療機関のためでも患者のためにもなっていない現状
現場の視点
医療従事者の現場、導線を理解、考慮していない
患者視点
本当に患者にメリットがありますか?
電子カルテシステム普及状況の推移
電子処方箋の普及拡大状況
講演中に比較した上の図(医療機関も電子処方箋導入済)、下の図(医療機関が電子処方箋を未導入)とは出典資料4ページのこの部分です。
医療機関・薬局のオンライン請求状況
義務化されるの?
現状の課題
まだまだ義務化検討以前の問題が山積している状況です。義務化はないと言い切れるものではないですが、現実問題として義務化出来ないのでは?
政策への対応
国の政策として進められる以上、ある程度の対応は必要ですが、拙速な推進は混乱を招き、かえって医療の質を低下させてしまう懸念。
本質的な疑問
本当に電子化が役立つものなら、多くの医療機関が既に導入を完了しているはずです。
国の進める医療DXへの対応
電子カルテ未導入医療機関
  • 標準型電子カルテを比較検討
  • 紙カルテの管理方法移行を検討
  • 電子カルテ導入の際には、導入で実現させたい効果を最低1つ(できれば3つ)ゴールを設定する。それが達成できたのなら導入は成功なのです。
電子カルテ導入済み医療機関
  • 医療DX加算のコスト試算をしっかりと
  • 電子処方箋導入以降も、電子カルテ情報共有サービスもあります。開始された場合のランニングコスト増(保守料)のことも視野にいれて対応を考えてください
共通の取り組み
  • 保険医協会、医師会を通じた提言
  • 真の医療DXへの試行錯誤(PDCAをまわせるように)
AI技術の急速な進化:ChatGPT登場からの2年
1
2022年11月
ChatGPT登場、大規模言語モデルのブレークスルー
2
2023年3月
GPT-4発表 - マルチモーダルAIへの進化
3
2023年後半
生成AIの多様化 - 画像・音声・動画生成技術の進展
4
2024年
AIの社会実装加速 - 様々な産業分野での統合
5
2025年(予測)
専門分野への浸透とLLMのエージェント化加速
AIの未来:エージェント化とコモディティ化
エージェント化
AIが自律的にタスクを実行する時代が到来します。医療情報の収集から診断支援まで、幅広い業務を自動化します。
コモディティ化
高度なAI技術が誰でも使える身近なツールになります。専門知識がなくても医療現場で活用できるようになります。
医療への応用が急加速
画像診断支援、自然言語処理によるカルテ入力、予測医療など、臨床現場での実用化が進んでいます。
医療AIの最前線:最新研究事例
診断支援
AIによる画像診断やリスク予測の精度が向上し、早期発見・早期診断が可能になっています。
創薬
AIが新薬開発を加速し、従来より格段に早く個別化医療の実現を推進しています。
研究機関の取り組み
アカデミアや医療機関での先端研究が進行中で、実用化に向けた取り組みが活発化しています。
本項では、4月12日に発表になったばかりのADHDの研究にAIを活用する論文(査読前論文)を紹介しました。講演資料集にリンクがありますので、そちらから参照できます。また、セミナーではご紹介出来なかった、16日付けの査読前論文。これまで活用出来なかった問診離脱患者の問診データをAIを活用することによって、有用なデータにする研究事例へのリンクも掲載していますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
Project VOICE:SMA患者と阪神近本選手の会話
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Project VOICE: 誰もが社会とつながり、自分らしく生きるために。
LLMの本質は「次に来る言葉の確率予測」にあります。最先端AIでも、研究者、エンジニアが使うLLMの本質は同じなのです。講演では、Google Japanのブログ記事から動画を見ていただきました。
現場で使えるAI(1):オン資医療情報の要約
課題
オンライン資格確認で取得できる薬剤情報を含む医療情報は膨大で、短時間での把握が困難。今後、マイナンバーカードが当たり前になったときには…
AI活用例
AIが薬歴データを瞬時に解析し、重要ポイントを抽出します(直近詳細+サマリーとしてA4一枚程度にまとめる)。
効果
医師の負担軽減や見落とし防止に貢献し、診療の質を向上させます。
現場で使えるAI(2):TextToSOAP(凪:NAGI)
仕組み
音声認識後、手直し前のテキストと生成AIの組み合わせ
コンセプト
テキストからSOAP形式自動生成
メリット
入力時間削減による医師の患者との対話への集中
TextToSOAPがもたらす変革
手軽な利用
特別な機材不要、スマホやマイクで簡単に利用できます。
デモイメージ
話すだけでSOAP形式のカルテができる未来の医療体験です。
操作イメージ
直感的な操作で誰でも使いやすく設計されています。
国主導DXとの向き合い方:受容と選別
目的意識
真の活用を目指す(≠DX加算を取るため)
選別
費用対効果と現場適合性
受容
制度変更、政策への適応は不可避
受け身から能動へ:自院のためのDX戦略
国策対応
まずは国の方針をよく理解したうえで対応を決める
課題発見
自院の課題を明確化し、AIの活用可能性を検討
共創
ベンダーと共に最適な解決策を創出
主体的推進
自ら舵を取るDX推進で成果を上げられるように
DXの本質:加算が目的ではないはず
患者との対話時間確保
AI活用で事務作業を効率化し、患者と向き合う時間を増やします。
医療・医療機関の質向上
診断支援や情報共有の円滑化により、医療の質を高めます。
経営の安定化
質を高めた結果として経営改善を目指します。紙文書管理のコスト削減も重要です。
真の医療DXを達成するために
1
現場視点の重視
実際の医療現場のニーズを中心に考える(医療DXは現場から)
2
協会・組合の活用
保険医協会や組合のサポートを最大限に活用
3
共創の精神
ベンダーと医療機関が対立せず、共に創り上げる姿勢
Co-create, don't compete!
競争ではなく、共創を!
本日のまとめ
国の医療DX
進行中だが現場とのギャップが存在し、「誰のための医療DX?」という本質的な疑問が存在するということ。
AI技術の進化
Project VOICEやTextToSOAPなど実用的なAI技術が医療現場を変えようとしています。
能動的DX戦略
国策を受け止めつつも、自院の課題解決に向けた独自のDX戦略が重要です。
DXの本質
患者と向き合う時間を増やし医療の質を向上させることこそが真の目的です。
ご清聴ありがとうございました / Q&A
質疑応答
ご質問やご意見をお待ちしております。医療DXやAI活用に関する疑問点について、遠慮なくお尋ねください。
コメントタイム
皆様の現場での課題やご感想もぜひお聞かせください。現場の声が今後の医療DXの方向性を決める重要な指針となります。
御礼
推薦者への感謝
大阪府保険医協同組合 理事長 中村厚先生のご推薦に心より感謝申し上げます。
運営の皆様へ
大阪府保険医協同組合・大阪府保険医協会の皆様のご尽力に深く感謝いたします。
ご参加いただいた皆様へ
お休みの中のご来場、長時間のご清聴に厚く御礼申し上げます。フィードバックをお待ちしております。また、当日ご来場出来なかった皆様方も下記アンケートフォームより本セミナーのスライド、及びスライド解説をご覧になっての感想をぜひお寄せください。
セミナー終了後公開WEB補足資料
講演文字起こしテキスト(講演時のニュアンスをできるだけ再現した文字起こしデータです)

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ベンダーと取り組む医療DXとの正しい向き合い方講演文字起こしテキスト

第42回大阪府保険医協同組合 組合まつり2025 特別講演 ベンダーと取り組む医療DXとの正しい向き合い方 2025年4月20日 株式会社ジェイ・メディック 代表取締役 酒井陽一郎 講演文字起こしテキスト(スライド解説用) Slide 1|ベンダーと取り組む 正しい医療DXとの向き合い方 (※該当発話なし) Slide 2|はじめに 本日はご来場いただきありがとうございます。時間になりましたので、6年ぶりとなる第42回大阪府保険医協同組合 組合まつり2025 特別セミナーを開始いたします。どうぞよろしくお願いいたします。 はじめに、お久しぶりにお会いする先生方も、初めてお会いする先...

セミナー資料集(セミナー内で引用したリソース等へのリンク集)

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20250420セミナー資料

大阪府保険医協同組合 第42回保険医まつり2025記念講演 ベンダーと取り組む正しい医療DXとの向き合い方 セミナー中にご紹介したWebリソース等補足資料 医療DX関連 医療DXについて(厚生労働省) 全国医療情報プラットフォームの全体像 https://www.mhlw.go.jp/content/12600000/001332014.pdf 医療DXの推進に関する工程表〔全体像〕 医療DXについて よくあるお問い合わせ | 厚生労働省 医療機関等向け総合ポータルサイト 自治体・医療機関等をつなぐ情報連携システム(Public Medical Hub:PMH)|デジタル庁 電子カルテ...

本スライドの感想をお寄せください(当日来れなかった方をはじめ、スライド、文字起こしをご覧になられた皆様方どうぞ感想を)

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医療DXセミナーご参加の方々へのアンケートのお願い

本日は「ベンダーと取り組む正しい医療DXとの向き合い方」セミナーへご参加いただき、誠にありがとうございます。 今後のコンテンツ改善と現場に役立つ AI ソリューション開発のため、下記アンケートへのご協力をお願いいたします(所要 2〜3 分)。 ご記入いただいたメールアドレスには、SOAP生成AI「NAGI」正式リリース等の最新情報をお送りします。 なお、ご回答いただきましたアンケート内容は、大阪府保険医協同組合様、大阪府保険医協会様と共有させていただきます。 ※ Google アカウントでログイン済みの方はメールアドレスが表示されています。